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あぶすとらくと



2013/03/16(土) 知っておきたい音がよくなるマイクプリの使い方

DTM・宅録
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あくまで質のあまり良くない機器を使っていて‥という前提の話ですが。

サイドアドレス型のコンデンサーマイクが安価で入手できる昨今ですが、どうにも音が硬いとか、高域がざらつくなどやはり値段なりか‥といったレビューをよく目にします。
やはりある程度までは価格と質は比例しますので、やはりそれなりの価格のマイクでないと駄目だ‥という感じで高価格なものに関心がいったり、あるいはマイクプリに手を出す‥ということにもなりやすいように思いますが高域がパッツンパッツンでギラついていて使用に耐えないというというレベルであれば機器の使い方に問題があるかもしれません。

マイク自体の出力ゲインが高く、それでまたプリ部のゲインをあげているとヘッドルームにぶちあたった高域が歪んできます。そうでなくてもマイクの前で手をこすると耳障りなパリパリ、カサカサとした音になる場合は入力のゲインが高すぎる可能性があります。

対処法
  • プリのゲインをさげる
  • マイクやプリにPADスイッチがある場合は使用してみる
  • プリのゲインをさげ入力する音を大きくする
プリ部のゲインで信号を増幅する関係上、やはり増幅する回路の風味がのってきます。これもクラスAとかいろいろアナログ回路上の分類とか部品的なグレードとかいろいろあるんですが、単純に信号を増幅するだけならオペアンプ一発みたいな回路だと思います。で、この増幅する回路のトランジスタ臭みたいなのものがわりと乗りやすいです。これはギターとか楽器類の回路も同様のもので、増幅するに従い、音の減衰の自然さ、スピード感のようなものが本来のものと変わってしまい、簡素なアクティブ系のサーキットにある「アクティブ臭」みたいなのがついてまわります。
信号の増幅で音のスピード感が高まり本来歪む場合はレベルの高い低域から歪むはずなんですが、高域特性のよい機材だと高域のレベルが高く位相が狂うように歪んできます。
マイクの前で手をこすると直接耳にするよりも立ち上がりの早いパリパリとした乾燥した音になるのはこのためとも考えられるように思います。
ちなみに低価格帯プリの名機といわれるJOEMEEKのVC3の場合、入力ゲインをあげると低域からむっちりともちあがってきます。こういうゲインの上がり方をするプリは低価格帯では最近みない気がしますね。

「プリのゲインをさげ入力する音を大きくする」というのはギターアンプの音録りならアンプの出力レベルを大きくする、大きな声で歌うようにする‥などです。マイクにはある程度大きい音量を入れるようにするほうが反応がよく、S/N比もよくなります。

プリ部のゲインを上げるとノイズレベルも上昇してしまう場合、S/N比のよくないところではゲインを稼がない方が全体的にはノイズレベルが低くできます。
ある程度ゲインか稼げているならあげすぎず控えめにしておき、トラックに入る音量は小さめにしてインサートエフェクトにダイナミクス系のエフェクトを入れて音量を上げるとか、小さめの音でミックスしてバスにコンプを入れて音量を上げるというのも手だと思います。

イコライジングについて

いろいろ工夫しても高域に耳障りなアタックが残ってしまう場合もあります。
その場合鋭いピーキングで10khz、8kHzの飛び出やすいところをカットすると‥あら不思議。とても耳障りがよくなってしまったりします。

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コンデンサマイクの場合、遠くの音も聞こえるようにもちあがってきますが、これは言い換えてみればマイクによって周囲の音がコンプレッサー的に持ち上げられているということでもあります。
聞かせるところは残しつつ不要なところをうまくカットすることですっきり綺麗な音像にしたりアタックの成分をコントロールすることで柔らかい音が得られるようになるのでいろいろ工夫してもらいたいと思います。
また各周波数帯に応じてだしたりひっこめたり‥というのはマルチバンドコンプを使うのも手です。



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